ノーリフティングの取り組み
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「弊社ノーリフティングケアチームを対象に実施した研修のレポートを紹介いたします。」

第2回 ノーリフティングケアマネジメント研修

 

実施日時:2023年7月25日 18:00~21:00

実施場所:ピースクルーズ本社9階研修室

参加者:ノーリフティングケアチーム(取締役・介護福祉士5名・理学療法士・看護師)

 

Ⅰ.研修概要

 

1.健康管理の体制づくり

・前回の研修後、ピースクルーズ全職員を対象に理解度チェックのSTEP1と腰痛調査を実施した。
これらを踏まえて、健康管理の体制を整えていくこととなった。

まず、年間の腰痛調査の日程を決定し、定期的に調査できるようにする。
次に、腰痛調査の結果を管理表に記録し、対応策を検討していく。

 

この時、腰痛の度合い別で検討し、高リスク者の職員の抱える腰痛問題から優先的に検討し、決定していく。腰痛の度合いについては、「常に痛い・時々痛い」を対応群、「痛みはないが疲れやすい・今は痛みないが腰痛経験あり・痛みなし」を予備軍とし、対応群を優先することになる。
そして、対応策を検討・実施し、再度調査を行い、その結果を基に対応策や体制そのものを見直すか継続するかを決定する。

対応策の見直しについては、内容はどうか、実施できているか、職員はそのやり方を守っているかの3点がポイントとなる。

また、体制全体の見直しに関しては、腰痛リスクについて現場から随時挙がっていて解決できているか、ノーリフティングケアの内容をプランに盛り込んで実施しているか、福祉用具や代替手段を取り入れて機能しているか、職員への教育は行き届いているかの4点がポイントになってくる。

 

2.リスクマネジメント

 

・リスクマネジメントとは、業務内で起こりうる様々な危険を想定し、事前に防止するためにリスクを管理し、その結果、事故の回避または被害を軽減させる取り組みのことをいう。
つまりは、危険を予測し、早めに事故につながるリスクを安全な内容に見直すということである。

この考え方は、ハインリッヒの法則に基づいている。
これは、「同じ人間が起こした330件の災害のうち、1件が重い災害だとすると、29回の軽傷、300回の傷害のない事故を起こしている」というものである。

 

また、傷害のない事故の背景に、数千の「不安全行動」「不安全状態」があるともされている。
このことから、事故が起きる前に発生を予防しなければならず、そのためには「ヒヤリハット」「不安全行動」「不安全状態」を減らす必要がある。

 

・腰痛リスクに関し、項目分けをする際には、以下の5つに分けることができる。

①アクシデント:激しい痛みがあり、休業が必要になるなどの事例

②インシデント:軽度の痛みや、一時的な痛みを感じる事例

③ヒヤリハット:痛みはないが、腰が疲れやすかったり、不自然な姿勢を強いられたりする事例

④不安全行動:「この程度は普段からやっているし大丈夫だろう」というような、誤った慣れや過信

⑤不安全状態:リフトやベッドの整備不良や、物品の配置位置が決まっていないなど、作業方法・ケア方法が統一されていない

 

以上のうち、①・②は「すでに発生してしまっている」ため早急な対策が必要であるが、③・④・⑤を恒常的に洗い出し、対策を進めていくことが重要である。
これを進める際には、キツさ・しんどさ・危うさなどを感じるすべての業務やケアを対象とする。

 

また、腰痛リスク発生には、職員・対象者・ケアを含むすべての業務・環境の全て要素が大きく影響しあっている。
これを全職員が知ったうえで、現場から見つけようとする意識が重要であり、リスクマネジメントにおける職員の役割を明確にしておくことが必要である。

 

この場合、役割は以下の3点となる。

①持ち上げ・抱え上げを行っている業務・ケアを「リスク」として委員会に報告

②自信を含めた職員の身体の使い方を意識して変える

③決められたケア方法・業務上のルールを厳守しつつ、これに違和感があった際はすぐに報告

 

・腰痛予防にあたっては、リスクマネジメントや労働安全衛生マネジメントシステム(PDCAサイクル)の考え方を導入し、腰痛予防対策の推進を図ることが有効である。

特に、PDCAサイクルを導入し、取り組むことで、継続的に職場の安全衛生水準を向上していくことが期待できる。

PDCAサイクルの手順としては、以下の流れを循環させる。

①現場から、簡単に腰痛につながるリスクを拾う方法を見直す

②リスクを見積もり、優先度の高いものから改善策を検討・実施する

③実施した結果を評価、見直し、記録する

これによって得られた結果を踏まえ、リスクがいつ見つかり、どのような経緯で改善され、残った課題は何かを、管理表を作成して管理していくこととなる。

今回は、この理解を周知していくために、理解度チェックのSTEP3を全職員に実施していくこととなった。

 

3.福祉用具の管理

 

・ノーリフティングケアを実施するか否かによらず、福祉用具を使用している場合には、用具の整備は必須事項となる。
すぐに管理環境を整えることは困難であっても、どのような用具が、どの利用者様が使用しているか、または、どこに保管されているかを管理していくことは、リスク管理の面でも重要となる。

また、新たな福祉用具の導入計画を立案する面でも、管理表などで作成し、把握していくことが必要となる。

 

Ⅱ.研修を受けての感想

 

第1回目の研修後にアンケートや理解度チェックSTEP1を実施したが、それだけに留まってしまっていた。
新規プロジェクトのため進め方も分からなかったこともあって、講師の方にお教えいただいたままにやってみているものの、アンケート結果を周知していなかったことなど、失念している部分が多かった。

今回の研修の中で、前回の残りに関してはある程度の整理はでき、何をすべきかの見通しを作ることが出来たのは良かったと思う。

今回から新しくリスクマネジメントの体制づくりが始まった。
体制作成のためにすべきことが多く、ついていくのでやっとというのが正直なところである。

しかし、リスクの洗い出しや対策を講じていくことの必要性はひしひしと感じたし、解決のサイクルの雛型さえ一度作ってしまえば、次回以降は手探り状態で行う必要もなくなり、ブラッシュアップを進めてよりよいサイクルを作り上げることもできるだろう。

また、こうしたサイクルを実施していくことで、新規職員も働きやすい職場環境を整えていくことにもつながるだろうと思われる。

次回の研修までにどこまで進められるかは何ともいえないが、可能な限り進めていきたいし、何とか追いつければと考える次第である。

 

(作成者:介護福祉士 柏原庸平)