ノーリフティングの取り組み
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令和6年3月24日日曜日、一般社団法人ナチュラルハートフルケアネットワークの主催する「第一回寺子屋フォーラム ノーリフティングに取り組む事業所の実際~仕組みづくりにおける効果と成果~」がZOOMにて開催されました。

開催の目的は、「ノーリフティングの定着、継続のための仕組みづくりの必要性を周知する」ことです。

大変ありがたいことに、私たちピースクルーズグループも声を掛けていただき、フォーラムにて、これまで一年近くにわたる取り組みの成果を発表する機会をいただきました。
簡単ですが、内容を報告させていただこうと思います。

 

今回のフォーラムにおいては、ノーリフティングケア推進委員会 教育委員会 リーダー 福島翔太が全員を代表して発表させていただきました。
スケジュールは一日がかりで、午前10:00~16:00までの長丁場となりました。4つのセッションに分かれており、合計8団体が発表を行います。
私たちの発表は、「NHN(ナチュラルハートフルケアネットワーク)のパッケージ研修を活用した取り組み」というセッションで、午後からの発表になりました。

他のセッションは、それぞれ「官民一体となった取り組み」、「団体での取り組み」、「取り組みが定着し継続して法人内で水平展開をしている事業所の取り組み」と、長年ノーリフティングケアの取り組まれてきた団体様の発表でした。
そのどれもが素晴らしく、やり方や方法は差異は有れど、今後の私たちが歩むべき形を示してくださっていました

 

その中でも、特に有用だと感じたものを記載したいと思います。

 

まず、「ノーリフティングケア導入前と導入後ですべての利用者様の表情を経過として残していく」ということです。
これにより、説明不要でノーリフティングケアの有効性をご家族様、ケアマネージャー様に導入する根拠の後押しとして提示することができます。
また、動画マニュアルの作成、介護リフトも含むすべての介護技術のテスト(減点方式)の実施もされているそうです。

 

次に、利用者様の入所時にノーリフティングケアを行う旨を説明しているそうです。
これは、いま必要がなくともADL低下など状態が変化したときの迅速なケアの導入に繋がります。
更に、全ての事業所で「腰痛予防体操の定着」を推進しているそうです。更に、指導者の育成に力を入れているそうです。

 

なかなか日の目を見ることのなかった施設における発表で感じさせられたのは、多くの人を巻き込むことの大切さでした。
一事業所だけがノーリフティングケアに取り組むのではなく、多くの事業者、他職種を巻き込んでいく事で、なかなか進まないケアの定着もスタンダード化していくのだと思います。
なかなか、今はもどかしいけれどもある瞬間にノーリフティングケアの推進が、一気に進むタイミングがあるそうです。
それが、「すべての職員(事務職なども含む)に同じ研修を実施することができたとき」だそうです。
ここまでに、紆余曲折あったのだと思います。

 

環境整備に力を入れている事業所では、コンセントの高さでさえ延長コードを利用し、変えていました。

また、何のために介護リフトを導入するのかといった疑問も投げかけられました。
リフトの導入が目的ではないのだと教えられました。

 

他にも、地域の認知所カフェにてノーリフティングケアを発信している団体もありました。
情報発信の場は、現場だけではなく、小さい子供のころから地域でノーリフティングケアが当たり前になっていくのが理想だと言っておられました。
さらに、介護人材の確保が難しくなっていく将来、ノーリフティングケアが当たり前の世の中にならなければならないとも言われておりました。

 

私たちの発表についても、新しいスライドを用意し堂々と発表させていただきました。
福島は緊張したと言っておられましたが、全国で100名以上が視聴する中、立派にやり遂げられたと思います。

他にも、新しい福祉用具との出会いもござましたが、そちらはまた別の機会にご紹介できればと思います。

 

今回のフォーラムを通じ私が強くたことは、一刻も早くスケジュールを立て、それを遂行し、定着するまで、改善しながら繰り返していかなければならないということでした。

さらに、その難しさです。
なぜならば、私たち以外の団体は全て医療法人や特別養護老人ホームでした。
そこでは介護リフトなどは施設単位で購入していますが、私たちはケアプランにより、貸与しなければなりません。
これが、ノーリフティングケアの推進するうえでとても困難だと改めて思いました。
しかし、一度事例をつくることができれば、スムーズに進んでいくのかとも思います。

 

私たちは、まだまだ走り出したばかりで困難が多く立ちはだかります。
しかし、推進メンバーを中心に社を上げて取り組み、地域、他職種を巻き込みスタンダード化を目指していきます。

 

今後も活動報告を行っていきますので、見守っていただければ幸いです。

 

(新井田幸庸)

 

<第1回 寺子屋フォーラムチラシ>

(画像をクリックするとPDFが開きます)